【小学校低学年から】「としょかんライオン」コンビ最新作!心温まる物語「ネコになりたかったクモのルイージ」|絵本紹介


こんにちは、こはたにです。
未就学の男の子3人とバタバタした毎日を送っています。
日課にしている読み聞かせの中で、特に子供たちの反応が良かった絵本を紹介しています!
お子さんが大きくなってくると、絵本選びの視点もまた少し変わってきますよね。
「絵本から児童書にうまく移行するためにぴったりな本はないかな…」
「読解力につながるような、質の高い本を選びたいけど、たくさんありすぎて…」
「自分で読めるようになってほしいけど、まだ難しいかな…」
など、幼児期とはまた違った悩みが出てくることも。
情報が多すぎて、何を選べばいいのか迷ってしまう気持ち、本当によく分かります。
そんな、小学校低学年くらいのお子さんを持つお母さん、そして「自分らしさ」や「思いやり」といった心の成長を大切にしたいと願うすべての方に、ぜひご紹介したい一冊の絵本が、『ネコになりたかったクモのルイージ』(作:ミシェル・ヌードセン、絵:ケビン・ホークス、訳:福本 友美子/岩崎書店)です。
著者名をきかれて、「あれ?」と思われた方もいらっしゃるのでは?
そう、この絵本は、あの名作「としょかんライオン」を生み出した作・絵コンビによる、待望の最新作です! それだけでも、期待が高まりますよね。
主人公は、なんとネコになりたかった、毛がもじゃもじゃの大きなクモ「ルイージ」。そして、一人暮らしの優しい「ベティおばさん」。
ちょっと意外な組み合わせの二人が織りなす物語は、じんわりと心が温かくなる、優しいお話です。「他の誰かにならなくていい、そのままのあなたが好き」という、シンプルだけどとても大切なメッセージが、きっとお子さんの心にも、そして私たち大人の心にも、そっと響くはずです。
「え、クモが主人公…?」と、もしかしたら少し戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。(実は私も、本物のクモは苦手です…) でも、絵本の中のルイージは、とっても愛嬌があって、読んでいるうちに「がんばれ!」って応援したくなるような存在に。
対象年齢は小学校低学年からとなっていますが、少し長めのお話に集中できるお子さんなら、年中さんや年長さんでも十分に楽しめるという声も聞かれます。
この記事では、「ネコになりたかったクモのルイージ」がどんな絵本なのか、その魅力やおすすめの楽しみ方、そして実際に読んだ方の感想や我が家でのエピソードなどを詳しくご紹介していきます。
「ネコになりたかったクモのルイージ」ってどんな絵本?
「ネコになりたかったクモのルイージ」の、簡単にあらすじをご紹介します。
物語の主人公は、住む場所を探してさまよっていた毛むくじゃらのクモ。思いがけず「仔猫」としてベティおばさんに迎えられ、戸惑いながらも、朝ごはんをもらったり、おもちゃで遊んでもらったり、一緒に映画を見たり…少しずつおばさんとの暮らしに心を開いていきます。
「おばさんと一緒にいたい」「がっかりさせたくない」、そんな想いから、ルイージは一生懸命「ネコらしく」ふるまおうとします。でも、自分はネコではなくクモ。本当の自分を隠してでも、愛されたいと願うその姿に、少し切なくなります。
この絵本が伝えてくれるのは、「誰かの期待にこたえようと無理をしなくてもいい」「そのままのあなたで大丈夫」という、シンプルだけど大切なメッセージ。ルイージがクモであることを知ったあとも変わらず受け入れるベティおばさんの言葉に、無条件の愛情の温かさがにじみます。
読み聞かせを重ねる中で、子どもはもちろん、大人の私たちにも、「ありのままでいることの尊さ」や「相手を思いやる気持ち」の大切さを静かに、でも確かに伝えてくれる作品です。
そして、物語に彩りを添えるのが、「としょかんライオン」でもおなじみのケビン・ホークスさんによるイラスト。
ルイージの愛らしい表情や、ベティおばさんのやさしいまなざし、あたたかみのあるお家の雰囲気などが、ページをめくるたびに読者を物語の世界へと誘ってくれます。

「としょかんライオン」も素敵なお話なので、もしまだお手に取ったことがない方がいらっしゃったら、是非一度読んでみてください。
クモなのに、「親しみやすくて、かわいらしい…」そう思わせてくれるのは、絵の力もきっと大きいはず。ルイージとおばさんの心の距離が少しずつ近づいていく様子が、絵本の中からそっと伝わってきます。
おすすめの年齢と読み方は?
出版社による対象年齢の目安は「小学校低学年頃から」となっています。絵本としては少し長めの38ページ。物語の中では、主人公ルイージの繊細な心の動きや、「自分らしさ」「受け入れること」といったテーマが丁寧に描かれており、6歳頃からより深く共感できる部分が増えてくると思います。
とはいえ、ルイージの愛らしい見た目や、健気で一生懸命な姿には、小さなお子さんもきっと心を惹かれるはず。物語の世界にぐっと引き込まれることで、年齢に関係なく楽しめる絵本だと感じます。

我が家は年中の次男がルイージ大好きで一番読んでいます。
特に、こんなお子さんやご家庭におすすめです:
- 絵本から児童書にステップアップしていきたいと考えているご家庭
- 絵本を通して、他人の気持ちにふれる経験をさせてあげたいと感じているご家庭
- まわりに合わせようと頑張りすぎる様子が見られる、がんばり屋タイプのお子さん
ここからは、我が家で感じた読み聞かせのヒントを少しご紹介します。
- ゆったりとした時間を選んで
少し長めのお話なので、時間に追われず、親子でリラックスして読めるタイミングがおすすめです。たとえば、週末の午後や寝る前のひとときなどがぴったり。お子さんの集中が切れてしまったり気がそれる場合は、何日かに分けて少しずつ読み進めても良いかもしれません。 - 親子で「自分らしさ」について考えるきっかけに
この絵本には、「誰かにならなくても、あなたはあなたのままでいいんだよ」という、シンプルだけれど大切なメッセージが込められています。 まだ自分の気持ちをうまく言葉にできない年齢でも、物語を通じて心に何かが残ることはきっとあります。 「ルイージ、がんばってたね」「おばさん、やさしかったね」などと親御さんのほうから声をかけてみることで、自然と気持ちのやりとりが生まれ、親子の会話が少し広がるかもしれません。 - 「クモがこわい」と感じる子には…
絵本の中のルイージは、愛嬌のある優しいクモとして描かれていますが、「クモ」と聞いただけで怖がってしまうお子さんや、大人の方もいるかもしれません。 そんなときは、まず書店や図書館などで、実際に表紙や中の絵をお子さんと一緒に見てみるのがおすすめです。絵のタッチやルイージの雰囲気を確かめながら、「ちょっと読んでみたい」と思えるかどうか、無理のない形で判断してみてください。 - 想像力をふくらませる余地がたっぷりある
クモがネコになりきる、というユニークな設定は、子どもたちの想像力を大きく刺激します。 「他の動物がネコのふりをしたら?」「クモって、ほんとにネコになれるの?」など、空想を広げる遊びの入り口になることも。 読み終わったあと、「あなたなら何になってみたい?」と聞いてみると、子どもならではの楽しい答えが返ってくるかもしれません。
「ネコになりたかったクモのルイージ」は、ただ読むだけでなく、親子で様々な感情を共有したり、大切なことについて静かに考えたりするきっかけを与えてくれる絵本だと思います。ぜひ、お子さんと一緒に、ルイージとベティおばさんの心温まる交流を、じっくりと味わってみてくださいね。
実際に読んだママたちの声
実際に「ネコになりたかったクモのルイージ」を読んだママたちからは、こんな声も。

不思議なタイトルに惹かれて読みましたが、読み終わると心がポカポカになりました。「そのままでいいんだよ」って、そのままを受け入れてもらえることの温かさ、素敵だなって、じーんときました。

「としょかんライオン」の作者さんということで手に取りました。実は本物のクモは苦手なのですが、絵本のルイージは可愛らしくて!おばあさんとの関係がどうなるか少しドキドキしましたが、最後は「あぁ、良かった!」とホッとしました。

お話も絵も本当に優しくて、心温まる一冊です。ただ…正直、虫が苦手なので、ルイージのふさふさ感がリアルに感じられてちょっとドキドキ(笑)。でも、物語自体は本当に素敵!クモに抵抗がない方なら、すごく気に入ると思います。
『ネコになりたかったクモのルイージ』読み聞かせ 〜わが家の体験談〜
「ネコになりたかったクモのルイージ」は、絵本としては少し長めの部類に入りますが、我が家の長男(5歳)と次男(4歳)でも、集中して最後まで聞いてくれます。特に次男はルイージのことがとても気に入っているようで、繰り返し読んでほしいとリクエストされるほど。
この絵本を読み聞かせしている中で、私が特に印象に残っているシーンは、ルイージがずっと隠していた「自分はクモである」ということが、ベティおばさんに知られてしまうところ。 ネコとして受け入れてもらっていたルイージにとって、自分の正体が知られてしまうことがどれほど怖くて、悲しいことだったか。
子どもたちがその気持ちをどこまで理解しているかは分かりませんが、このシーンに差し掛かった時にちらっと子ども達の顔を見てみると、ふたりとも悲しそうな顔。言葉にはしないものの、物語の空気に反応しているようで、ルイージの不安や悲しさが、なんとなく伝わっているのかもしれません。
ルイージ大好きの次男が特に気に入っているシーンは、いつもソファーの下で眠っていたルイージに、ベティおばさんが「いっしょにねる?」と声をかけ、そっと毛布でくるんであげるシーンです。
少し戸惑いながらも嬉しそうなルイージの表情に対して、次男は毎回「かわいい!」と指をさして喜びます。ルイージがただの「クモ」としてではなく、あたたかい感情を向けたくなるような存在として、彼の中に自然と入り込んでいるのだと感じます。
絵本を読んでいると、ふとした拍子に「この子たちは、これから成長していく中で、きっと「まわりに合わせなきゃ」とか、「本当の自分のままじゃダメなのかも」と感じる瞬間が出てくるのだろうな」と思うことがあります。
年を重ねる中で、そうした迷いや不安を抱えることは避けられないかもしれません。思春期に差し掛かる頃、二人がこの絵本を覚えているか分かりませんが、「あなたはそのままでいいんだよ」というメッセージを、繰り返し伝えていきたいと気持ちを込めながらいつも読んでいます。
ベティおばさんが、ルイージにかけた「わたしは そのままの あなたが すきなの」という言葉の深さを、今はまだ、深く理解することは難しいかもしれませんが、繰り返しこの絵本に触れることで、少しずつ心のどこかに残ってくれたら。
それが、これから何かに迷ったときの、ささやかな支えになってくれたら。そんな気持ちで、この絵本を読み聞かせる時間を大切にしています。
まとめ|「ネコになりたかったクモのルイージ」 を読んで
今回は、『としょかんライオン』の作・絵コンビによる心温まる絵本、「ネコになりたかったクモのルイージ」をご紹介しました。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
たくさんの絵本の中から子どもに合う一冊を選ぶのは、なかなか難しいです。特に、お子さんが成長するにつれて、どんな物語が心に響くのか、どんな力を育んでくれるのか、期待と同時に迷いも生まれることと思います。
この「ネコになりたかったクモのルイージ」は、そんな中で出会えた、私にとっても大切な一冊になりました。この絵本の魅力はたくさんありますが、特に心に残るのは、以下の3つの点だと思いました。
- 「そのままで、いいんだよ」という温かいメッセージ: ネコになろうと頑張るルイージと、それを受け入れるベティおばさんの姿を通して、自分らしさを肯定すること、ありのままを愛することの尊さを、深く感じさせてくれます。
- 思いやりと受容が紡ぐ、心温まる関係性: 種族を超えたルイージとベティおばさんの交流は、相手を理解しようとすること、違いを受け入れることの美しさを、静かに教えてくれます。読むたびに、優しい気持ちになれる物語です。
- 「としょかんライオン」コンビならではの確かな質: 心に響くストーリーと、温かく繊細なイラスト。読者の心を掴んで離さない、その世界観の深さは、やはりこのコンビならではだと感じます。
「絵本を読んでいても、効果が感じられない」といった声を聞くことがあります。たしかに、絵本の力はすぐに目に見えるものではないかもしれません。
ですが、ルイージの気持ちにそっと寄り添ったり、ベティおばさんの優しさにふれたりする中で、お子さんの心に、「共感する力」や「自分を大切に思う気持ち」の種がまかれているのではないかと思います。
何より、この絵本を読む時間そのものが、親子であたたかい気持ちを共有し、「あなたはあなたのままでいいんだよ」という大切なメッセージを、親自身の言葉で伝えたり、静かに願ったりする機会になることと思います。たとえ今すぐには伝わらなくても、その時間の積み重ねが、親子の心のつながりを少しずつ深めてくれるはずです。
また、少し長めの物語に耳を傾ける経験は、「聴く力」や「集中力」を育てていく土台にもつながっていきます。
もし「ネコになりたかったクモのルイージ」の世界に少しでも触れてみたいと感じていただけたなら、ぜひ一度、お子さんと一緒に手に取ってみてください。
ルイージとベティおばさんの心あたたまる物語が、忘れられない一冊になるかもしれません。この記事が、日々の絵本選びのささやかなヒントとなり、親子の豊かな時間につながるきっかけになれば幸いです。



お読みいただきありがとうございました!
何かの参考になれば、とても嬉しいです。